迷える夏の恋人たち

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◆ 歴史的な米朝首脳会談 (5) 米韓合同演習をいったん中止して様子を見る

合同演習の凍結支持も
北朝鮮は依然として核の脅威
駐韓米大使候補

2018.06.18
(www.cnn.co.jp/world/35120891.html )

駐韓米大使に指名されているハリス前太平洋軍司令官
駐韓米大使に指名されているハリス前太平洋軍司令官


駐韓米大使に指名されているハリス前太平洋軍司令官は14日、上院外交委員会の公聴会で、北朝鮮は依然として核の脅威であり続けているとの認識を示した。

大規模軍事演習については、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に交渉への真剣さを示す機会を与えるため、いったん中止すべきだとしている。


トランプ氏は先日ツイッターで、北朝鮮はもはや核の脅威ではないとし、米朝首脳会談を受けて米国の安全度は高まったと述べていた。


しかし上院外交委員会のメネンデス議員(民主党)は今回、北朝鮮が依然として核の脅威かどうかを質問。

北朝鮮政府が今でもミサイルを保有し、核分裂過程などの管理を続けている点を指摘した。


これに対しハリス氏は「それに関しては引き続き警戒しなければならない」と言及。

米国による韓国への対ミサイルシステムの配備について、「北朝鮮の弾道ミサイルの脅威が唯一の理由だ」と述べた。


トランプ氏がシンガポールで韓国や日本と行う「戦争ゲーム」の中止を表明したことについては、
「私が以前の立場に就いていたとき、特に 2017年には軍事演習継続の必要性を強調していた」
と説明。

2017年に北朝鮮によるミサイル発射が相次いでいたことに触れた。


一方で
米朝首脳会談を経て
今日われわれの状況は劇的に変わっている

とし、
金委員長が本当に交渉に真剣なのかを見極めるため
大規模演習をいったん中止する必要がある

との認識を示した。




政治的に複雑な在韓米軍の再編
友田 錫
客員研究員亜細亜大学アジア研究所長

2003.07.26
(www2.jiia.or.jp/report/column/0307_tomoda.html )

アメリカのブッシュ政権は現在、渋る韓国政府を押し切る形で在韓米軍3万7千人の再編、配置転換の方針を進めつつある。

米韓同盟政策構想協議(Future of the Alliance Policy Initiative)と銘打った両国政府のこの問題に関する交渉は、4月8日と9日に第一ラウンドが、6月4日と5日には第二ラウンドが、いずれもソウルで、7月23日と24日には第三ラウンドがホノルルで行なわれた。


これまでのところ両者は、
(1) 在韓米軍の役割朝鮮半島に限定せず北東アジア全域の安全保障に役立つよう変えること
(2) 非武装地帯に近接配置されている米第二歩兵師団およびソウル市内龍山にある在韓米軍司令部を2006年までに後方(おそらく烏山)に移転すること
(3) 従来米軍が受け持ってきた前線での防衛責務を韓国軍が肩代わりすること
などの基本方針で合意に達した。


しかし、
・有事のさいの「米韓合同軍司令部(CFC)の指揮権」の帰属や
・ソウルに置かれている米軍司令部や
・非武装地帯沿いに展開する第二歩兵師団の
移転先の選定など、
具体的な面で重要な問題がかなり未解決のまま残っていて、その影響が米韓関係の将来におよぶ可能性もある。

(中略)

これら二つに加えて、韓国軍の役割増大や米軍基地の後方移転にともなう財政負担にも不安が見え隠れしている。


しかし、一方で韓国社会に日本よりはかなり強い反米意識がひそんでいることも、在韓米軍の問題を複雑化させる要素として無視できない。

もともと対米自主姿勢を強調する盧武鉉氏が昨年の大統領選挙で当選した理由の一つに、米軍兵士が韓国人少女を轢死させた事件で国民の反米感情が噴出したことも挙がっていた。

また、首都ソウルに在韓米軍の司令部のあることが、韓国民の民族主義意識を刺激していた。


他方、アメリカ側にも韓国内の反米意識の高まりを見て反発の声が出ていた。

第二歩兵師団を最前線から後方に移し、前線での防衛責任を韓国軍に肩代わりさせるという方針も、こうしたアメリカ国内の心理状況とまったく無関係かといえばそうは言い切れないだろう。


ソウルもワシントンも、公式にはこの在韓米軍再編を「米韓同盟のさらなる強化」に役立てるという方針で意見が一致している。

(後略)




防衛省・自衛隊 平成28年版防衛白書

韓国・在韓米軍
(www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2016/html/n1222000.html )

(抜粋)

韓国の軍事態勢


韓国の軍事力については、陸上戦力は、陸軍22個師団と海兵隊2個師団、合わせて約52万人、海上戦力は、240隻、約21.1万トン、航空戦力は、空軍・海軍を合わせて、作戦機約620機からなる。


韓国軍は、北朝鮮の脅威はもとより、未来の潜在的な脅威にも対応する全方位国防態勢を確立するとして、近年では、海・空軍を中心とした近代化に努めている。

海軍は、潜水艦、大型輸送艦、国産駆逐艦などの導入を進めており、2010(同22)年2月には、韓国初の機動部隊が創設され、また2015(同27)年2月には、潜水艦司令部が創設された。

空軍は2002(同14)年以降進めてきたF-15K戦闘機の導入を2012(同24)年4月に完了させており、現在はステルス性を備えた次世代戦闘機としてF-35A戦闘機の導入事業が推進されている。


2012(同24)年10月、韓国政府は、北朝鮮の武力挑発への抑止能力を高めるため、自ら保有する弾道ミサイルの射程などについて定めたミサイル指針について、弾道ミサイルの最大射程を300kmから800kmに延伸することなどを内容とする改定を行ったことを発表した。

さらに、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応するため、韓国軍のミサイル能力の拡充、ミサイルなどによる迅速な先制打撃を行うためのキル・チェーンと呼ばれるシステムの構築、韓国型ミサイル防衛システム(KAMD:Korea Air and Missile Defense)の構築などに取り組むこととしている。


また、韓国は近年、装備品の輸出を積極的に図っており、2014(同26)年の輸出実績は契約額ベースで約36億ドルに達し、2006(同18)年から8年間で約14倍となっている。

輸出品目についても通信電子や航空機、艦艇など多様化を遂げているとされている。


なお、2016(同28)年度の国防費(本予算)は、対前年度比約3.6%増の約38兆7,995億ウォンとなっており、2000年(同12)年以降17年連続で増加している。


図表I-2-2-4 韓国の国防費の推移
韓国の国防費の推移


米韓同盟・在韓米軍


米韓両国は近年、米韓同盟を深化させるため様々な取組を行っている。

2009(同21)年6月の米韓首脳会談では、米韓同盟の範囲を朝鮮半島からグローバルなものに広げるとともに、両国間の協力を軍事面以外の他の領域に広げる「包括的戦略同盟」化を盛り込んだ「米韓同盟のための共同ビジョン」が合意された。

(中略)

さらに、2016(同28)年1月の北朝鮮による核実験の強行などを受け、米韓両国は、同年2月より在韓米軍へのTHAAD配備に関する公式協議を開始し、同年7月、配備を公式に決定した。

また、同年3月から4月にかけて実施された米韓連合演習には、韓国軍約29万人、米軍約1万7,000人が参加するほか、2009(同21)年以来の空母打撃群の参加を含む過去最大規模の兵力・装備が投入された。


北朝鮮による核実験を受けて韓国、烏山(オサン)付近で韓国空軍のF-15K及び米空軍のF-16と共に低空飛行を行う米空軍のB-52【米空軍提供】の画像
北朝鮮による核実験を受けて韓国烏山オサン付近で韓国空軍のF-15K
及び米空軍のF-16と共に低空飛行を行う米空軍のB-52米空軍提供



一方、両国は、米韓連合軍に対する
・「戦時作戦統制権の韓国への移管」や
・「在韓米軍の再編」
などの問題に取り組んできたが、これらは計画の修正を迫られている。

まず、戦時作戦統制権の韓国への移管については、2010(同22)年10月に移管のためのロードマップである「戦略同盟2015」が策定され、2015(同27)年12月1日までの移管完了を目標として、従来の「米韓軍の連合防衛体制」から「韓国軍が主導し米軍が支援する新たな共同防衛体制」に移行する検討が行われていた。

しかし、北朝鮮の核・ミサイルの脅威が深刻化したことなどを受け、第46回米韓安保協議会議において、戦時作戦統制権の移管を再延期し、韓国軍の能力向上などの条件が達成された場合に移管を実施するという「条件に基づくアプローチ」が採られることが決定された。

この新しいアプローチでは具体的な移管期限を示されていないが、韓国軍の能力向上における中心的な課題は、キル・チェーン及びKAMDであるとみられること、またこれらのシステムの整備完了目標が2020年代中盤までとされていることから、戦時作戦統制権の移管は大幅に遅れるものと考えられる。

また、2015(同27)年6月には、米韓連合師団が正式に発足した。

米韓連合師団の師団長は米軍の第2歩兵師団長が兼務し、平時には共同演習等を実施し、戦時には米軍及び韓国軍の部隊が共同で作戦を遂行するとされている。


在韓米軍の再編問題については、2003(同15)年、ソウル中心部に所在する米軍龍山(ヨンサン)基地のソウル南方の平沢(ピョンテク)地域への移転や、漢江(ハンガン)以北に駐留する米軍部隊の漢江以南への再配置などが合意されていた。

しかし、これまでも平沢地域への移転が移転費用の増加などの事業上の要因により遅延してきたところ、第46回米韓安保協議会議において、戦時作戦統制権の移管が延期されたことに伴い、米軍要員の一部が龍山基地に残留する必要が生じたことや、北朝鮮の長距離ロケット砲の脅威に対応するため在韓米軍の対火力部隊を漢江以北に残留することが決定されたことなど、計画の一部修正を迫る新たな要因が生じている。

これにより、計画自体は維持されるものの、事業完了時期については「適切な時期に完了されるよう努力する」と修正された。

さらに、韓国国防部は、2016(同28)年5月、「在韓米軍司令部を含む大部分の部隊が2017(同29)年までに平沢への移転を完了する予定である」と発表した。

これらの課題は、朝鮮半島における米国及び韓国の防衛態勢に大きな影響を与えるものと考えられるため、動向に注目する必要がある。

(以下省略)

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