◆ 【内閣改造】 小野寺五典防衛相会見詳報 

【内閣改造】
小野寺五典防衛相会見詳報
安倍晋三首相の「防衛大綱見直し指示」を明かす

2017.08.04
(www.sankei.com/politics/news/170804/plt1708040012-n1.html )

会見する小野寺五典防衛相=3日午後、首相官邸(佐藤徳昭撮影)
会見する小野寺五典防衛相
=3日午後
首相官邸佐藤徳昭撮影



小野寺五典防衛相は3日夜、首相官邸で就任後初めての記者会見に臨み、安倍晋三首相から、おおむね10年後を念頭に置いた防衛力整備の基本指針である防衛計画の大綱の見直しを検討するよう指示されたことを明らかにした。

小野寺氏はその後、防衛省でも記者会見を行った。会見の詳報は以下の通り。

     ◇

「防衛相を拝命しました小野寺五典です。

国家の存立と国民の生存を守るという崇高かつ国家の根幹に関わる任務を担うことになり大変、光栄に感じるとともに、自らの職責の重みを痛感しております。

今般の就任にあたり、安倍首相から以下のご指示をいただいております」


「厳しさを増すわが国の安全保障環境を踏まえ、大綱の見直しや次期中期防の検討を行う。

日米ガイドラインのもと、抑止力を高める。

北朝鮮の脅威を抑止するため、米国と協力し、防衛態勢と能力の向上をはかるためにとるべき具体的な行動を進める。

(米軍)普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設を含め、抑止力の維持をはかりつつ、沖縄をはじめとする地元の負担軽減を実現する。

日報問題のようなことが再び起こることがないように再発防止を徹底し、国民の信頼回復に向けて全力で取り組む、などであります」


「また平和安全法制に関する事務を担当することになり、引き続き国民に対して丁寧かつ分かりやすい説明を尽くすことになります。

このような指示をいただいております。

この指示を踏まえ、防衛相として約25万人の自衛隊員とともに、国民の皆さまの負託に応えるため、わが国と世界の平和と安定に貢献してまいる所存です。よろしくお願いします」


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北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合、2段構えで迎えうつ態勢だが、現状の迎撃体制で十分か。

敵基地攻撃能力を保有する必要についての考えは


「まず現在のミサイル防衛システムで私どもとしてはしっかりとした対応をしていうこということだが、さらなる北朝鮮の技術の向上に備え、私どもとして必要十分な態勢をとっていくことも大切かと思っている。

反撃能力のことだが、自民党の検討チームにおいて、北朝鮮の度重なる発射に対してのミサイル防衛の強化の一環ということで提言があった中だ。

私はこのチームの座長ということで、安倍首相に提言させていただき、安倍首相も『しっかりと受け止める』という言葉をいただいている」


「これを受けて、これから防衛省、自衛隊としてしっかりさまざまな提言を行っていくことと承知している。

ただ、弾道ミサイルの対策については、このようなさまざまな能力、そして日米の協力、何よりも総合的な能力の向上、これがすべて必要になると考えている」


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日報問題について。
小野寺氏は先日の党国防部会で
「部隊が現に動いている中で開示とした判断は部隊運用上間違っていないか」
という発言をしている。
そもそも日報について開示すべきでないという考えか



「まず南スーダン派遣施設隊の日報問題については開示請求への対応のほか、廃棄されて不存在とされた日報が存在していたことへの対応など、これが不適切だったと、特別防衛監察の結果が公表されていると理解している。

本件は情報公開への対応が不適切であったことのみならず、内部からの情報流出をにおわせる報道が相次ぐことにより、防衛省、自衛隊のガバナンスに対する信頼を損ない、結果として国内外の現場で任務にあたる隊員の士気を低下させかねないという点で極めて重大で深刻なものと受け止めている。

特別防衛監察の結果で示された改善策を受け、今後、同様の事案が発生しないよう、抜本的な対策を講じて国民の皆さまの信頼回復に努めてまいりたいと思っている」


「ただいまご指摘の点だが、これは私が防衛相就任前、7月31日の国防部会での議論だったと思う。

実はこれは私の発言ではなく、私の質問ということになる。

このとき、何があったかというと、特別防衛監察の結果についての文書が、本部から出されて、その文書を読んでいく中で、この問題の発端になった、中央即応集団の副司令官の発言がその中に書いてあった。

書いてある内容は、日報が探索対象から外れることが望ましいといった、という風に書いてあったので、私から、なぜこの副司令官が外れることが望ましいと思ったのか、それは日報には具体的な部隊の活動状況や規模、弾薬の量などが記載されている、これが開示されることが活動中の部隊の運用に問題が起きると、そういう判断でこの副司令官が対象から外れることが望ましいといったのか、という質問をした」


「これに対して、防衛監察本部の担当者から、その指摘について、情報公開上の制度としては日報の内容をすべて公開すべきということではなく、不開示部分を特定して保全した上で開示すべきであった、今回はそうせず、文書自体を不存在としたところに問題がある、という回答がありました。

ですから私は、それを受けて、そのような対応が十分必要なんだということを理解したので、私の発言ではなくて、実はその時の配布された資料の中に、この副司令官の発言ということで書いてあったので、その内容について監察本部から確認したということであります」


「ですから、ただその副司令官が、防衛監察本部から意見聴取を受けたときに、そこには書いてあったのは、対象から外れることが望ましいと副司令官が言ったと書いてあったので、その真意は何なのかということを監察本部に聞いて、監察本部が、その内容について先ほどお話ししたように、部隊の運用上の問題その他のような話をしたので、それはやはり全体から見た場合に、やはり本来であれば不存在ではなくて、ちゃんと存在すると認めて、そして開示する場合に、その中に弾薬とか燃料とか、どういう行動をしているかってことが書いてあれば運用上、問題になる。であればそこは黒塗りという形で不開示にして、その上で公開するということが適切だという説明がありましたので、私どもとしてはそれを理解して、そこから何か私が発言したことはありません」


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日米2プラス2について。
首相は早期に開催し、抑止力対処力を強化すると述べた。
8月中旬に開く方向で調整していると思うが、期待することは



「日程についてはまだ固まったというふうには聞いていないが、首相からの指示でも、なるべく米側との早めの意見交換なり交渉に入ってほしいというお話はあった。

一番大切なのは今、北朝鮮の弾道ミサイルに対する脅威が差し迫っている。

この問題に対しては、日米が共同歩調で進めることが必要だし、また、東シナ海、南シナ海の問題等もある。

日米関係がさらに強固なものになるように私も新しい閣僚としてしっかり任を果たすためにも、そのような交渉、会議の場を持つことが重要だと思っている」




小野寺氏は引き続き防衛省でも
記者会見を行った



「今日は遅い時間にこうして会見となりました。申し訳なく思っております。再度、防衛相としてご指示をいただいて任務につくことになりました小野寺五典と申します。どうぞよろしくお願いいたします」


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防衛省、自衛隊は日報問題に関して稲田朋美前防衛相、事務次官、陸幕長が辞任するなど大変混乱した状況にある。
このような混乱が生じた原因、理由はどこにあると考えるか。
また、その問題を改善して態勢を立て直し、職員・隊員の士気を回復するため、どのように取り組むか抱負を



「本日いただきました首相指示にもありましたが、南スーダン派遣施設隊の日報問題と同種の問題の再発防止を徹底し、国民の信頼回復に向けて全力で取り組む所存だ。

この日報問題の根本にあるのは、防衛省、自衛隊において、情報公開の重要性に対する認識が十分でなかったということ、そして省内関係部局、内局、統幕、陸幕における意思の疎通が十分でなかったということだと考えている。

このことにより、防衛省、自衛隊の情報公開に対する姿勢について、国民の皆さまに疑念をもたれるような結果になってしまったということ、申し訳なく思っている」


「私のもとでこの教訓を生かし、隊員の意識改革等を行い、再発防止策を講じるとともに、風通しのよい組織文化を醸成し、一層の連携強化に取り組むことにより、防衛省、自衛隊が一体となってあらゆる事態に対応できる態勢を構築していきたい、そのように思っております」


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首相から防衛大綱見直しの検討を行うよう指示を受けたとのことだが、中国の軍拡や北朝鮮に対応するため、どのような防衛力整備が必要だと考えるか。
党にいたときには弾道ミサイル防衛の強化や敵基地攻撃能力の保有検討を首相に要請しているが、防衛相として今後どう反映させていくか



「まず冒頭の大綱、中期防のことについて。

わが国を取り巻く安全保障環境がいっそう厳しさを増す中、わが国の防衛力のあり方については不断の検討を行うことが必要であると考えている。

今回、防衛相を拝命するにあたり、首相から、厳しさを増すわが国の安全保障環境を踏まえ、防衛力を強化し、国民の安全確保に万全を期すため、防衛大綱の見直しや次期中期防衛力整備計画の検討を行う旨、指示がございました」


「現行の中期防は平成30年度までを対象としておりますが、防衛省としては、首相指示のもと、次期中期防の検討を着実に進めつつ、その前提となる防衛計画の大綱についても、国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには何をすべきかという観点から、その見直しについて不断に検討を行っていきたいと思っております」


「また、今お尋ねありました、自民党から要請が、提言がありましたミサイル防衛についての提言の中で、敵基地の反撃能力のことについての言及があった。

まずミサイル防衛についての提言でありますが、ミサイル防衛の提言につきましては、ご案内の通り3点にわたる提言でありました」


「1つは、弾道ミサイルへの防衛能力強化のための新規アセットの導入ということ。

もう1つは、わが国独自の敵基地反撃能力の保有ということ。

それから、排他的経済水域に飛来する弾道ミサイルの対処という3点でありました。

私もこの検討チームの座長として当時、この取りまとめにあたりまして、3月30日には官邸に伺い、安倍首相に提言もさせていただいた。

その際、安倍首相からはしっかりと受け止めますという話をいただいた。

これを受けて政府・防衛省としても、提言した観点も踏まえて、さまざまな検討を行ってきていただいたと承知している」


「北朝鮮はつい先日、7月28日にも長距離の弾道ミサイルをわが国のEEZ(排他的経済水域)に向けて発射したところだ。

私としても今回、再び防衛相として、今度は提言を受け止める側に回った。

まずはこれまでの検討状況について防衛省から状況をしっかり聴取をした上で、提言で示した観点も踏まえ、問題意識と危機感を持って、わが国の弾道ミサイル防衛に今、何が必要かということを突き詰め、引き続き弾道ミサイル対処能力の総合的な向上のための検討を進めてまいりたい、そのように思っております」


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大綱見直しのスケジュール感については



「大綱の見直しについてのスケジュール感でありますが、現時点におきまして、検討スケジュールを含めて具体的な検討の進め方が決まっているというわけではありませんが、まずは現在の安全保障上の課題を的確に把握して、政府部内でよく議論をしながら検討を進めていきたいと思っております」


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現在の大綱で足らない点、問題意識は



「まだ就任したばかりでありますので、現在、防衛省内でどのような整備を進めているかということは明確に今日、お話しするまだ時間と余裕がないので、もう少し省内の状況を把握した上でお話をしたいと思うが、ただ私の個人的な印象をもてば、防衛相でありました3年前でしょうか、そのときと比べて、北朝鮮の弾道ミサイル能力の向上というのは目を見張るものがあると思っております。

それに対応するために、現在の大綱の中で、しっかり対応できるかどうかというのは、不断の見直しの中で検討していきたいと思っております」


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自民党では防衛費の枠について国内総生産(GDP)比1%より上を目指すべきとの提言だった。
防衛費全体の議論は大綱見直しの中で行うか



「当時、自民党のチームの中の議論を聞いていた一人として、防衛費の枠の議論ありきではなかったと理解しています。

必要なものを必要な形で、日本の安全保障上、重要なものとして整備していく上で、どのような予算が必要なのか、その積み上げで出てくる数字だと思いますので。

枠の問題というか、もともと1%枠というのはすでにないとは理解はしておりますが、まず必要なものということが基本で、金額ありきではないと思っております」


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首相指示の内容は、防衛大綱の見直し、ということだった。
それは解釈として、新大綱を策定せよという指示か



「いえ、そういうことではなくて、これは不断の見直しを行えということでありますので。現在の安全保障環境に備えて、今のままの考え方でいいのかどうか、その見直しをしっかりやってほしいということだと思います」


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防衛大綱は10年程度の指針だが、前倒しして改訂すべきだという指示か



「これは不断の見直しというのは、10年だから絶対手を付けてはいけないということではなくて、不断の見直しをしながら、十分対応できるのであれば、そのままでもいいと思いますし、もしそれがやはり安全保障環境の変化で、不断の見直しをした上で、内容については検討すべきということになれば、それはまた新しい形で検討することになると思う。

いずれにしても見直しをして判断することだと思う」


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現行大綱の内容を点検し、見直しし、十分かどうかを判断せよという趣旨か



「そういう理解で私はおります」


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日米2プラス2は、いつぐらいをメドに開きたいか



「今日、首相からの指示の中でも、なるべく早く米側としっかりとした連携をとるようにというご指示があった。

私も今日、就任したばかりだが、なるべく早く米側との、カウンターパートとの何らかの意思疎通を図る、そういう努力が必要になるかと思っている。

今、2プラス2、従前から行うことで日米は合意をしていると思うが、スケジュールはまだ正確に定まったわけではないと思っている。

ただ、なるべく早く行うことが望ましいと思う」


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米側とこういう話をしていく中で、日米ガイドラインの見直しも俎上にのぼる可能性はあるか



「これは、さまざまな議論をする中で、必要な防衛力整備の中で積み上げていくという話であります。

また、今回のガイドラインというのは、見直ししてからそれほど時間がたっているわけではないと思うが、であっても、私どもとしては今の安保環境の中で検証しながら対応していきたいと思っている」


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米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画について。
小野寺氏は以前、防衛相だったときにボーリング調査が始まった。
現状をどう見ているか



「私が防衛相のときには当時、仲井真弘多知事でいらっしゃったので、辺野古への移転についてはむしろご協力いただきながら、政府として、精いっぱい、沖縄の負担軽減のためにともに努力していこうというスタンスの時だった。

残念ながら今、知事が変わり、その状況が従前と違うということは認識しているが、どのような形で今、進んでいるかについては、今日就任したばかりですので、ちょっと数年離れております、最近の状況については明日から改めて担当部局からしっかり説明を受けたいと思っています」


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改めて翁長雄志知事と会談する予定は



「私どもとしては、沖縄で、このような負担軽減の目的とはいえ、埋め立て工事を含めて沖縄県の協力が必要なものもたくさんある。

そういう意味では、知事とお話をし、私どもの考え方をお伝えするということは大変重要なことだと思っている」


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現在、沖縄県と5度目の法廷闘争ということで対立が深まっている。
工事をとめて協議して解決策を探るべきだとの指摘もあるが、どう向き合うか



「今までこの問題については、国と沖縄県との長い協議がありましたし、また、ときには法廷による闘争ということもあった。

私どもとしては、できる限り話し合いでこの問題を解決して、目的は沖縄の負担軽減ということになるので、そのためにこれからも精いっぱいの努力をしていきたいと思いますし、対話をしながら、なるべく国と沖縄県という、ともにそれぞれ中央政府、地方政府という立場なので、しっかりと本来であれば協力できる態勢ができるのが望ましいと考えております」


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辺野古移設を進める考えに変わりはないと



「私どもとして、沖縄の負担軽減、特に普天間の1日も早い返還のためには、辺野古が唯一の解決策というスタンスについては、政府として一貫していると思っている」


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首相指示の中で、平和安全法制について国民に分かりやすい説明を尽くす、というのがあった。
具体的にどの項目で、という指示はあったのか



「いえ、具体的な説明というよりは、前の稲田防衛相も、中谷元防衛相もそうだが、平和安全法制の担当相という役目をいただいているというふうに伺っている。

今回も私の首相指示の中には同じような指示があった。

平和安全法制については、粘り強く国民の皆さんに説明して、わが国の安全保障にしっかりとした形でつながる、そういうものだということを説明するのは、これはどの防衛相でも同じことだと思っている」

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