◆ トランプ氏が国連総会で落とした「爆弾」は想像以上に大きかった 


ELTON JOHN ~ Rocket Man  (1972)


トランプ氏国連演説で北朝鮮糾弾
ロケットマンが自殺行為
拉致にも言及
日本人の13歳少女を拉致した

2017.09.19
(http://www.sankei.com/world/news/170919/wor1709190057-n1.html )

国連総会の一般討論で演説するトランプ米大統領=19日、ニューヨークの国連本部(ロイター)
国連総会の一般討論で演説するトランプ米大統領
=19日
ニューヨークの国連本部ロイター


トランプ米大統領は19日、国連総会で初の一般討論演説を行い、外交分野に関する政権の理念と戦略について表明した。トランプ氏は持論である「米国第一」を掲げる一方、北朝鮮の核・ミサイル開発問題を「世界全体の脅威だ」と指摘し、国連が一体となって北朝鮮に核放棄を迫っていくべきだと訴えた。


トランプ氏は北朝鮮やイランを「ならずもの体制だ」と指摘。北朝鮮の金正恩体制について「ロケットマンが自殺行為の任務を進めている」と述べ、北朝鮮の核・弾道ミサイルは金体制の崩壊につながると警告。「米国はあらゆる手段を講じて自国と同盟国を防衛する」と言明するとともに、もし軍事攻撃に踏み切る事態となれば「北朝鮮は完全に破壊される」と強調した。


また、加盟各国に対し国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議の確実な履行などを通じた締め付け強化を要請するとともに、先の安保理決議で賛成に回った中国とロシアに対して謝意を表明した。


一方、日本の横田めぐみさん(52)=拉致当時(13)=を念頭に、「日本人の13歳の少女が拉致された。彼女はスパイの養成に利用された」と述べるとともに、「北朝鮮はすさまじい人権侵害を行っている」と非難した。


また、中国による軍事進出が続く南シナ海問題で、「法を尊重すべきだ」と述べ、中国による現状変更の試みを強く牽制した。


中東で影響力拡大を図るイランについては、地域情勢を不安定化させる「残忍な政権だ」と非難。2015年のイラン核合意について「恥ずべきものだった」と述べ、合意見直しの可能性について示唆した。


トランプ氏はまた、国連は「独立国家間の協力」という理念の下に設立されたと指摘し、加盟国が他国の「主権尊重」を前提に相互連携を進めてこそ、世界の「平和と繁栄」につながると主張。同氏が「米国第一」を掲げるように、「他の国々も自国を第一に置くべきだ」と語った。【ニューヨーク=黒瀬悦成】




トランプ氏国連演説の
北朝鮮完全破壊に議場からどよめき
北朝鮮大使は演説途中で退席

2017.09.20
(www.sankei.com/world/news/170920/wor1709200003-n1.html )

ニューヨークの国連本部で開かれた、総会の一般討論で演説するトランプ米大統領=19日(共同)
ニューヨークの国連本部で開かれた総会の一般討論で演説するトランプ米大統領
=19日
共同



トランプ米大統領による初の国連総会での一般討論演説は、「米国第一」を含む、国連加盟各国の主権を尊重する自国優先主義こそが世界の「平和と繁栄」の実現に向けた国連の活性化につながると表明した。背景には、米国が外交・安全保障分野での重要課題と位置づける北朝鮮の核・ミサイル開発問題やシリア情勢、テロとの戦い、ベネズエラ情勢などについて、いずれも国連を通じた国際連携なしには事態の打開が難しいとの判断がある。


トランプ氏が北朝鮮による横田めぐみさんらの拉致問題に言及し、北朝鮮の核・ミサイル開発を国際社会全体の問題と位置づけたのも、各国がそれぞれの安全保障上の利害を共有してこそ事態解決の道が開かれるとみている表れだ。


日本としても、トランプ氏が国連総会の場で日本の拉致問題に言及したことは、北朝鮮の核問題に隠れて拉致問題が国際社会の中で存在感が低下していく懸念を薄めた点でも大きな意義があった。


トランプ氏が北朝鮮の「完全破壊」に言及した際、議場からはどよめきが起きた。北朝鮮の国連大使も演説途中で抗議の退席。こうした場面もトランプ氏の強い姿勢を際立たせた。


トランプ氏は大統領に就任する前の昨年12月、国連は「集まって話して楽しむクラブに過ぎない」などと批判していた。トランプ氏による今回の演説は、国連を軽視するかのような従来の立場と孤立主義を連想させる「米国第一」の主張を、国連の理念である「主権」「安全」「繁栄」と絶妙に融合させ、「トランプ時代の国連」という新たな概念を打ち出したといえる。【ニューヨーク=黒瀬悦成】




横田早紀江さん
トランプ氏の国連演説に
びっくりした
拉致問題解決へ風が向いたよう
滋さんも内容に聞き入る

2017.09.20
(www.sankei.com/world/news/170920/wor1709200037-n1.html )

米国のトランプ大統領が国連での演説で北朝鮮による横田めぐみさん拉致を非難したことを受け記者会見する母、早紀江さん=20日午前、川崎市内
米国のトランプ大統領が国連での演説で
北朝鮮による横田めぐみさん拉致を非難したことを受け
記者会見する母
早紀江さん=20日午前川崎市内



米国のトランプ大統領が国連総会の演説で横田めぐみさん(52)=拉致当時(13)=を念頭に、「13歳の日本人の少女を拉致した」などと北朝鮮を厳しく批判したことを受け、めぐみさんの母、早紀江さん(81)が20日、記者会見し「拉致問題に触れたことにはびっくりしたが、解決へ少し風が向いたように感じる」と話した。


核・ミサイル問題で朝鮮半島情勢が緊迫し、拉致問題が埋没する懸念もある中、早紀江さんは「トランプ大統領がしっかり意志を示してくださったのは非常にありがたい。めぐみだけではなく、多くの人が工作員に拉致された現実を世界中に知ってほしい」と強調した。


被害者救出について、早紀江さんは国際社会との連携や、日本の取り組みをさらに加速させる必要性を指摘。「北朝鮮は普通の国と違う。拉致問題はとにかく長い時間がかかっているが、あきらめず訴えを継続するのが大事だと改めて感じた」と思いを語った。


また、核実験や弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮に対し、「拉致被害者を帰し、さまざまな問題を平和的に解決することがいかに大切ですばらしいことか、気づいてほしい」と呼びかけた。


早紀江さんによると、トランプ大統領が演説で拉致問題に触れたことを体調不良で静養中の滋さん(84)に伝えたところ、驚いた様子で、内容に聞き入っていたという。




河野太郎外相
トランプ氏の演説での拉致言及を歓迎
日本の働きかけ功を奏した

2017.09.20
(http://www.sankei.com/world/news/170920/wor1709200031-n1.html )

米ニューヨークを訪問中の河野太郎外相は19日夜(日本時間20日午前)、トランプ米大統領が同日の国連総会一般討論演説で北朝鮮の拉致問題を取り上げたことについて「拉致問題について、かなりはっきりと触れてもらった。日本が働きかけをしてきたことが功を奏している」と歓迎した。ニューヨーク市内のホテルで記者団に語った。


また、トランプ氏が北朝鮮の「完全破壊」に言及したことに関しては「全てのオプションがあるという米国のこれまでの方針を確認したものだ。日米でしっかりと緊密に連携し、拉致、核、ミサイルといった問題にあたっていきたい」と強調した。【ニューヨーク=杉本康士】




トランプ氏国連演説
拉致問題言及に
菅義偉官房長官
高く評価

2017.09.20
(www.sankei.com/politics/news/170920/plt1709200028-n1.html )

記者会見する菅官房長官=20日午前、首相官邸(共同)
記者会見する菅官房長官=20日午前首相官邸共同


菅義偉官房長官は20日の記者会見で、トランプ米大統領が国連総会での一般討論演説で、北朝鮮による拉致問題に触れたことについて「横田めぐみさんと思われる日本人の女の子に言及しつつ、拉致問題を含む北朝鮮をめぐる諸懸案の解決に向け、取り組む姿勢を改めて示したことを高く評価したい」と述べた。


菅氏は、日本人拉致被害者らの再調査を約束した平成26年のストックホルム合意の履行を北朝鮮に求めるとした上で、「一日も早い全ての拉致被害者の帰国を実現すべく、あらゆる努力をする決意だ」と強調した。




国連総会演説トランプ節全開
人権状況で真実突く
無用論説得力増す?

2017.09.20
(www.sankei.com/world/news/170920/wor1709200045-n1.html )

19日、ニューヨークの本部で始まった国連総会の一般討論。壇上中央は演説するトランプ米大統領(AP)
19日ニューヨークの本部で始まった国連総会の一般討論
壇上中央は演説するトランプ米大統領AP



トランプ米大統領による初の国連総会での一般討論演説は、他の歴代大統領であればとても考えられなかった挑発的発言をちりばめた、「トランプ節全開の内容となった


演説の白眉は、トランプ政権が安全保障上の最大懸案と位置づける北朝鮮問題に関する部分で訪れた。


トランプ氏は、核・弾道ミサイル開発に固執する金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の行動を「ロケットマン」による「自殺行為の任務」と切り捨てた上、軍事攻撃に踏み切れば「北朝鮮は完全に破壊される」と断言し、総会の議場をどよめかせた。


先の「北朝鮮は炎と怒りに見舞われる」との発言同様、北朝鮮を無用に挑発しかねないという意味で、今回の発言も決して得策とは言い難い。


しかし、「挑発こそわが人生」を身上とするトランプ氏が、あえて国連総会という場でこのような言葉を使ったことは、国際社会が好むと好まざるとに関わらず、世界は「トランプ語」によって動いていくのだという現実の受け入れを迫るものでもある。


ただ一連の挑発的発言の中から時に真実が垣間見えることもある


トランプ氏は「偉大な潜在力がある」とする国連の問題点の一つとして、国連人権理事会の理事国には、過去に国内の人権状況を批判された国々が含まれているとし、国連にとって「大いなる恥だ」と述べた。トランプ氏の指摘は、理事国であるサウジアラビアや中国キューバなどを指しているとみられる


「他国の主権尊重」を繰り返し強調したトランプ氏の演説からは、国連が中心的役割を果してきた「世界の人権状況の改善」などにどう取り組んでいくのかは見えてこない。


しかし、人権侵害国が人権問題を担当するといったゆがんだ状況や、国連の官僚機構の肥大化や非効率な運営を是正し、迅速な合意形成を行えるようにしない限り国連無用論のような批判が説得力を増していくのも事実だ


トランプ氏が国連総会で落とした爆弾は想像以上に大きかったといえる。【ニューヨーク=黒瀬悦成】

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